西洋占星術10天体の意味とギリシャ神話その➄ 海王星・冥王星・神話第3世代の3兄弟

♆海王星‥ポセイドーン 

【シンボル♆の由来】
ポセイドーンの持つ三叉の鉾

【占星学での基本的意味】
見えないもの

【対象となる事柄】
精神論者・芸術家・病人・極めて高齢の人(西洋占星術での天体の年齢域から)

【ポセイドーンの能力】
海と地震、そして馬を司る神。ゼウス・ハーデースと並ぶ、オリュンポス三大神の一柱。
三叉の鉾で大地を打つと地震が起き、海を割ることもできる。荒れると津波や暴風雨を引き起こすが、機嫌が良いときは航海を守護する。
馬という生き物を最初に作り出したのもポセイドーンとされる。

【神話で表される姿】
髭を蓄えた壮年〜老年の男性。三叉の鉾を手にし、しばしば馬やイルカを従えた姿で描かれる。

ゼウス・ポセイドーン・ハーデースの3兄弟は、父クロノスを倒したのち、くじ引きで世界を分割しました。

ゼウスは天空、ポセイドーンは海、ハーデースは冥界を治めることになります。

くじで決まったという点が、実はポセイドーンを理解するうえで重要です。彼は、自ら望んでその領域を得たわけではないのです。

ポセイドーンは非常に気性が荒く、すぐに怒る神として知られています。

アテナイの守護神の座をアテーナーと争った際、民に塩水の泉を贈ったポセイドーンに対し、アテーナーはオリーブの木を贈り、民はオリーブを選びました。負けたポセイドーンは激怒し、アッティカ地方に洪水を起こしたと伝えられます。

また、アテーナーの怒りを買い、怪物にさせられたメドゥーサとの間に天馬ペガサスと巨人ポリュペーモスをもうけており、荒々しく制御しきれない子孫を残す傾向があります。

海は、静かなときは穏やかで美しいものですが、荒れれば誰にも止められません。しかも海の中は、深く潜るほど何があるか分からず、目に見えません。

この「見えない」「捉えどころがない」「静と動の落差が激しい」という性質こそが、海王星の基本的意味です。

くじで海を得たという点も象徴的です。海王星が絡む物事は、自分の意志で選んだというより、「気づいたらそうなっていた」「なぜか惹きつけられる」という形で訪れることが多いのです。


♇冥王星‥ハーデース

【シンボル♇の由来】
ローマ神話Plutoの頭文字など

【占星学での基本的意味】
極限

【対象となる事柄】
霊界、異常事態、核エネルギー、先祖、大量の人、極端な地位の人

【ハーデースの能力】
冥界(死者の国)を治める神。死そのものを司るわけではなく(それはタナトスの役割)、あくまで死後の世界の管理者・統治者。
地下に眠る財宝や鉱物資源も彼の管轄とされ、ローマ神話での名Plutoは「富」を意味するギリシャ語プルートスに由来する。
キュクロープスから授かった「見えなくなる兜(隠れ兜)」を持ち、姿を消すことができる。

【神話で表される姿】
髭を蓄えた老人。番犬ケルベロス(三つの頭を持つ獰猛な犬)を連れている。

ハーデースは、くじで冥界を引き当てて以来、ほとんど地上に姿を現しません。

オリュンポスの神々の中でも、最も存在感が薄く、それでいて最も恐れられている神です。当時のギリシャ人は、彼の名を直接口にすることさえ避け、婉曲な呼び方をしていたと言われています。

最も有名なエピソードは、豊穣の女神デーメーテールの娘、ペルセポネーの略奪です。

ハーデースは彼女に一目惚れし、大地を割って冥界へ連れ去ってしまいます。娘を失ったデーメーテールの悲しみと怒りにより、大地は実りを失い、世界は冬に閉ざされます。

最終的にゼウスの仲裁で、ペルセポネーは1年のうち一定期間だけ冥界で過ごし、残りは地上に戻れることになりました。これが四季、特に冬が生まれた由来とされています。

普段は決して姿を見せず、忘れられた存在のように扱われているのに、一度動けば季節そのものを変えてしまう。

この「普段は隠れているが、動くと世界の構造ごと変えてしまう」という性質が、冥王星の基本的意味である「極限」に直結します。

冥王星が絡む物事は、日常では意識されず、隠されたまま進行し、ある日突然、後戻りできない形で表面化します。

地下の財宝(隠れた資産・才能)を司る神でもあることから、単なる破壊の星ではなく、「隠されていたものが、極限まで積み重なった末に、大きな価値や変容として姿を現す」星でもあるのです。


ギリシャ神話・第3世代の3兄弟

ゼウス(木星)・ポセイドーン(海王星)・ハーデース(冥王星)は、父クロノスを倒した第3世代の兄弟であり、くじ引きによって天空・海・冥界という三つの領域を分け合いました。

面白いのは、この3人の中で最も目立ち、最も語られる逸話が多いのがゼウスであるのに対し、ポセイドーンとハーデースは、普段はそれぞれの領域に留まり、あまり表舞台には出てこないという点です。

木星が個人天体に近い、日常的に感じやすい吉星であるのに対し、海王星・冥王星が「トランスパーソナル(個人を超えた)天体」として扱われ、その影響が世代単位・社会単位で語られることが多いのは、まさにこの神話上の役割分担と一致しています。

くじ引きという偶然によって領域が決まった、という点も示唆的です。海王星も冥王星も、自分の意志でコントロールしきれない、「気づいたら巻き込まれている」領域を象徴する天体だと言えるでしょう。


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占星学塾 Team Chiron

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