風の時代は本当に2020年から?──見落とされた1981年のグレートコンジャンクション

「風の時代」が始まった――そんな言葉を、ここ数年よく耳にしませんか?
けれど、本当にそうでしょうか?
占星術の大きな節目であるグレートコンジャンクションが、2020年に初めて風の星座で起きたというのは、本当の話でしょうか?

実は、1981年にも同じように風の星座でグレートコンジャンクションは起きていました。
しかし、その事実はなぜかあまり語られることがありません。

この「見落とされた1981年の真実」は、
「風の時代」という言説が持つ曖昧さと、そこに隠された占星術的なズレを浮き彫りにします。

――あなたは、巷の「風の時代」ブームに流されず、
本当の星の声に耳を傾ける準備はできていますか?



風の時代の理論を生み出した人について

風の時代の理論は、大昔のトルコの占星学者アブー・マーシャルが唱えた説がベースとなっているそうです。

それは、サインの移り変わりで時代が変わるという内容ですから、いま発信されている『風の時代』の解説とぞれてはいないです。

最近流行の読み方は、わりと古典の焼き直しが多いといいうことだけは、まず先にお伝えしておきます。

(推測ですが『昔の理論の方が単純でわかりやすいから』か、『発信ネタが飽和状態だから』と思います。)


水瓶座時代について

まずは、風の時代と同時に水瓶座時代という言葉も聞いていると思いますのでそこから始めます!

天文学で、○○座時代という言い方があります。

例えば、魚座時代は、キリスト生まれたくらいから現在までで、水瓶座時代は少し先からになります。

あれ?魚座から水瓶座?逆行してない?
はい、逆行してます。そういうものだからです。その説明をこれからします。


ギリシャ時代の占星学者が、ホロスコープの入口(春分点)を、西洋占星術(占星学)のなかでは、おひつじ座の0度という場所を予め決めて、動かさないことにしました。

例えるならば、空(そら)に街がいくつかあるとして、時代時代で住所の名称が変わってしまうのを、今後変えないようにした感じです。

天文学の春分点は固定ではなく、少しずつ逆行をしているのを、ギリシャ時代の人が発見したのですが(さらっと書いてますが歴史的大発見です)、それが、いまは魚座なので魚座時代という言い方があり、2152年から2700年の間は魚座と水瓶座が重なっていて、それ以降は水瓶座時代になります。
ですから、いつから水瓶座時代というのも、そもそもはっきりしていないのです。

少なくとも今生きている人には関係ない!まだ水瓶座時代の入口にも立っていないのですよ。。

大昔の人たちの凄い観察力から生まれた○○座時代なのに、その解釈の基本になっていた春分点の移動を考えずに、いつの間にか直近の、木星と土星、冥王星あたりの動きの名前にしちゃったわけです。


西洋占星術で見る、世代の特徴

風の時代はこうだ!水瓶座時代はこう!みたいな表記が多いので、おおまかな世代の特徴が出る内容について考えてみました。

世代の特徴というならば、

・一番動きの遅い冥王星
・次に遅い海王星
・そのつぎの天王星

あたりを指すと思います。
さらにそのつぎの土星も入れて良いと思います。

少なくとも2つ、できれば3つ以上が、同じ星座か調和的な星座グループにあると、世代の特徴に反映されます。
しかし、2021年1月の時点で、水瓶座はこのうち1つだけですし、風の星座(ふたご、てんびん、みずがめ)もほかにありません。
翌年には水瓶座に木星土星が入りますが、木星は約1年で次の星座に移動するため、世代の特徴にはなりません。

続きまして、水瓶座に入居する天体を調べてみました。

・2022年→土星のみ
・2023年→土星と入れ代わり冥王星が入る
・それ以降→長く冥王星が水瓶座に滞在

という感じですから、たくさん天体が水瓶座に固まるわけでもありません。


話がすこし反れますが、天体がひとつのサインに固まっていた現象として、いまの30代前半生まれあたりに、山羊座世代があります。
(1988〜1991、山羊座に土星天王星海王星、1991〜1995天王星海王星)

この頃の日本は、バブル〜バブル崩壊あたりですから、一番高い位置を表す山羊座のイメージは合っているかもしれません。
また、いまのアラサー世代は、ゆとり教育が浸透してきたあたりかなと思います。世代特徴として、現実的合理的だけど、失敗を恐れ打たれ弱いと言われてるようです。

ホロスコープ全体を見ないとなんともですが、山羊座本来の喜び…慎重に着実に自分の領域を作り上げることで本来の力を発揮することを優先させていけたら良いですね!

ちなみに、今のアラフィフあたりは、『てんびん座の天体が多くなりやすい』です。

いまの風の時代ブームがうまく浸透したのは、そこらへんもあるかもしれません(あくまでも推測です)


グレートコンジャンクション
今回の『風の時代』の根拠となっている、グレートコンジャンクションの件ですが、木星と土星が同じ位置になる、約20年に一度現れる天文現象で、それが今回から水瓶座の入口で起こり、今後何年間も風の星座で起こるから、『風の時代』というそうです

私が読んでいるアメリカの専門誌にも書かれています。

ようは、木星土星の同じ位置が、2020年から風の星座で起こるようになったから、ということだそうですが、、

見にくいのですが、これ見てください!!

画像1
画像1500年から2500年までの、木星と土星の同じ位置(コンジャンクション)の一覧です。

火の星座→赤、地の星座→茶色、風の星座→緑、水の星座→青、でマーカーを引いています。

だいたい200年ごとにはなるのですが、きっちり200年ごとにはなっていないのがわかりますでしょうか?

始まりも終わりも、どこなのか?そして、200年の間に、ほかの星座で同じ位置になることもあるのが、おわかりいただけますでしょうか?

風の時代』の開始時期も、1981年なのか、2020年なのか、わかりません

あちこちで、2020年からと言われるけど、最初の1981年をカウントしない理由が不明です。

知らない人はいない専門家先生の仰っていたことはこちらです。

『ええ。2020年12月22日、「風」の星座である水瓶座の位置で、土星と木星がぴったり重なる「グレートコンジャンクション(大会合)」が起きました。それまで約200年間「地」の星座で起こっていた大会合が、今回は200年ぶりに「風」の星座でしたから大きな変化です。』

『そして、この先の約200年はずっと風の星座で大会合が起きる。それで「風の時代」が始まった、と言われているんですね。』

媒体で発信してる有名なプロの、西洋占星術の解釈が時折とんでもないことは、あるあるではあるのですが。。

おそらく『信じやすい』のだと思いますが、自分の目で確かめてから発信しようねとしか思えません。

久々に私の先生に質問が出来たので聞いてみたところ、

「その解釈については、それを提唱している先生に聞いてください。とりあえず単なる天体現象です。」とのこと。

ようは、先生としては、その解釈はしないとのことで、

「おそらく出版社等と話していて、風の時代とか、海外でも言われているからいいんじゃないんですか?みたいな流れじゃないですかね?これで占星学に興味もってくれたら、それはそれでいいかな。。」とのことでした!

とりあえず、、『風の時代』って響きが良くて、コピーライティングとして成功したのでしょう。

風の星座のデメリットは、『その時良ければそれで良い感覚』。

地の星座が影響しない人は、気持ちが不安定になりやすいですよ?

参考文献:Wikipedia 実習・占星学入門 石川源晃先生HP名古屋市科学館
伊泉龍一先生、鏡リュウジ先生、松村潔先生のインタビュー記事 世界史/日本史年表

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