西洋占星術におけるキロンについて、魂の傷や癒し、トラウマや苦手な事、傷ついたヒーラーを表すと書いてあることが多いですが、発見から年数が経っておらず、現時点では、占星学者の間ではまだ意味が完全には確定していないそうです。
古代バビロニアでは、神話での様子が様々な物事の説明の代わりをしており、昔から地球から見えた天体についてもそうなるのですが、天王星の発見以降では、発見時の、人類に対する大きな出来事の意味合いがつけられています。そして不思議な事に、それに合ったような神々の名前がつけられています。
西洋占星術関連の、キロンに関する話をまとめてみます
【キロン(ケイローン)の神話について】
いて座の神話がキロンの語源となるケイローンの話になりますから、サインのイメージもポイントかなと、個人的には考えています。(外側に積極的に伸びていく知性)
ケイローンの話を要約しますと、
➀母親から姿を忌み嫌われ孤児となり、何事も完璧なアポロンにしっかりと育てられる
➁同じ半人半獣の野蛮な仲間とは自分だけ違い、半神半人でもある特殊さ
➂知識が凄すぎて尊敬された素晴らしい指導者で、たくさんの人に様々な知識を教えた
④間違って弓矢が当たるが、神の血が流れていて不死身の為、一人でずっと痛みを抱えることとなる。自分でも何とか出来ないか知恵を絞り、また新しい知恵が産まれる。自分の身は癒しきれないが、世の役には立った。
【発見時の出来事について】
キロン発見時翌年(1987年)、胎外受精児の初成功があり、このような、全員が使うわけではなく一般的ではない、高度で新しい技術や解決方法を表すと考えられます。
倫理的な問題もあるけれども、困っている人たちから見たら、まさしく光と言えるでしょう。
【実際の天体キロンの様子から】
太陽系での位置から、土星(日常的な忍耐や鍛錬)と天王星(突発的な変化・独創的アイデア)両方のイメージがあるとも考えられます。
これらに書いてあるイメージの共通点をまとめてみますと、
➀深い知性、高度な教育や解決方法(医療治療含む)
➁わかりやすいグループに属しにくいマイノリティ、一般的ではなく特殊であること
➂忍耐や孤独、逆境を伴う(マレフィックはほぼ確定だそう)
故・石川源晃先生が仰るには、キロンは高度医療と占星学の星とのことです。一般的ではなく、特殊で高度な学習や解決方法になるので、そうだな、と私も思います。
トラウマや苦手意識、傷ついたヒーラーと解釈される理由を考えてみますと、神話の説明④のあたりだろうと思います。
ケイローンは医術や理知的な占いの神様でもありますが、どちらにもあまり関係ない人生を歩む人のほうが多いですよね。ですから、実際の読み方で全てを高度医療や占星学につなげると混乱しそうです。クライアントが何に対して頭をひねってきたかで判断すると良いかなと、個人的には思います。
ケイローンといえばまず理知的で万能な人のイメージです。ぬぐい切れない古傷はありますが、そこからトラウマや苦手なことがあって苦しんでいるというイメージが先行して、知恵を働かせる部分が抜けてしまうといけないと思います。
存在が神話のなかでも完全に被るグループがいないこと、体外受精も経験する人の方が少なく、辛さが理解されにくい部分があることから考えますと、マイノリティであったり、孤独な悩みを抱えたり、一般的な方法で解決しにくい困難なことがあることで、新しい特殊な考え方や方法を生み出す原動力となり得るでしょう。
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