水星逆行について専門的に語ってみます。少し難しいかもしれませんが、正しい情報を出したいので、お付き合いください!
天体の逆行じたいは、中3の地学の内容ですね!
(参考サイト:中学理科ポイントまとめと整理)
水星が逆行してるから、連絡ミスが増える──そんな話、聞いたことがありませんか?
近年は頻繁に見かける水星逆行の話題。でも、実際のデータを見ると、その“影響”には意外な傾向があるようです。
◎水星逆行とは?何が起きる?
水星逆行について、一般的な見解をお見せするため、まずは、AIに《水星逆行とは?》と聞いてまとめてみました。
コミュニケーションの行き違い: 連絡の遅延、誤解、メッセージの誤送信など。
スケジュールの狂い: 予定の変更や遅延。
機械のトラブル: 電子機器の故障、通信障害など。
見直しや再考: 過去の出来事や人間関係が戻ってきたり、物事の見直しを迫られたりする時期とされる。
この期間を「不吉」なものとして恐れるのではなく、むしろ立ち止まって見直しや調整を行うべき時期として捉えることが多いです。大きな決断や新しい契約は避け、過去の振り返りややり残したことの整理に充てることが推奨されたりします。
(AIについて補足:
最近はAIの回答が正しいと思うひともちらほら出てきているとのことですが、AIは『ネットでたくさん書かれていることを、ユーザーのアイデアの足しに、とりあえずピックアップするだけ』。便利ではありますが‥
それなので、調べ方によっては偏りが出ることをお忘れなく!)
この考え方については、国内外の占星学の書物にもたくさん記載がございます。
これはとくに、ロンドンを拠点として活躍し、著作物も多い、心理占星学研究家Erin Sullivan「Retrograde Planets(逆行惑星)(1992年)」の影響があると思われます。
Sullivanは心理占星学の文脈で逆行を「内的リズムの調整」として扱っています。
「ミス」や「混乱」は副産物であり、本質は「見直しと再調整」と説いています。
当時、逆行を“悪い時期”として避ける風潮に違和感を覚えたそうです。
自身のカウンセリング経験から、「逆行期に人はむしろ内省し、心の再構築を行う」ことを多数見てきて、
そこから、“逆行は抑圧ではなく、心理的統合への過程” という考えに至ります。
逆行中にミスや混乱があったとしても、それは再構築へのプロセスであると説いたわけですね!
水星逆行について、私が占星学者から実際に学んできたところでは、毎月作成している、ボイドタイムまとめの中にも記載していますが、
✅契約や書面は手落ち抜け落ちをしないよう、内容をしっかり確かめる
✅内容が悪くなるという意味はない、です。
これは、現代西洋占星術の学問的・実践的基盤を作った人物のひとり、アメリカの占星術家Robert Hand『Planets in Transit(1976年)』の記載の影響がありそうです。
『水星逆行の期間中は、コミュニケーション、書類の署名、旅行など、あらゆる連絡や文書に関する事柄に特に注意を払うべきです』
『誤りや誤解が起こりやすいのは、「悪いこと」が起きているからではなく、心が内向きになり、過去のことを再考し、見直しているためです』と書いてあります。
彼の基本的な考えとしては
『天体が“止まっているように見える”ということは、
その天体が象徴する機能(たとえば水星なら思考・判断・交渉)が、
「外に出て表現される段階」(順行)から「内側で再構築される段階」(逆行)に入ることを意味する』です。
また、逆行に関するデータをまとめることは出来なかったものの、プロの経験則から、
逆行中は『物事を見直す』『間違いに気づく』『表現が慎重になる』との見解をしています。
◎水星逆行って本当にトラブルが起きるの?実際に取られたデータで考える
ここまでをまとめてみますと、「コミュニケーションのミス』『スケジュールの狂い」「心が内向きになりやすい」「過去を見直す時期」となりますね。でも、実証データでは必ずしもそうとは言えなさそうです。
1. 最新のデータで見る水星逆行
ルーマニアの経済学者、Aurora Murgea 氏(2016)は、1973~2019 年の 48 か国の株式市場データを対象に「水星逆行期の影響」を検証しました。その結果が以下の引用です。
・逆行期間中の株式リターンの変動(ボラティリティ:価格変動の大きさ)が、順行期間よりも低かった。ようは、逆行期間のほうが価格変動が安定していた。年間ベースで、逆行期間中の平均市場リターンが 約 3.22 %低い(サンプル全体の年間平均リターンの約 22.56 %分に相当)。
・株式取引量(出来高)も逆行期間中に有意に低くなるというデータあり:出来高で年間ベース約 0.42 %低いという試算(おおよそサンプル平均の約 24 %削減に相当)
・「本研究の主な発見は、水星逆行期間におけるリターンの変動性(ボラティリティ)が低かったということで、占星術理論の想定とは一致しない」と結論付けられました。
この結果が出た状況の推論は『水星逆行を意識してるから慎重に取引したのではないか?』ということです。
ここで大切なことは、「水星逆行=トラブルやミスが増える」「慎重にしなければならない」という、定番の占星術的な予想とは逆の傾向が出ている点です。
Murgea氏の分析は株式市場データに限ったものです。書類の書き漏れや契約ミスなど、個別のトラブルが増えるかどうかを直接示すものではありません。しかし、「逆行期=混乱する」「その混乱に意味がある」とするような、従来のイメージとは異なり、落ち着いた判断や慎重な作業がしやすい可能性を示しています。
2. 占星学的な象意とデータの組み合わせ
水星☿は商取引や情報を表す天体であり、分析力やコミュニケーションを司ります。
《水星の基本的意味についての解説はこちら》
順行のときは商取引でやり取りが盛んになり、ボラも高くなると考えますと‥
商取引以外の、水星☿が司る物事でも、順行時は自由なで活発な変動が起きやすくなると考えられそうです。
そう考えると逆行時は少し水星本来の機能が停滞しているのかもしれません。逆行期は天体じたいも一見「止まっている」ように見えます。
株式市場のデータから考えると、逆行時はむしろ慎重さが増している時期と言えそうです。
もし逆行期に書類の書き漏れがある場合、水星の活発さが控えめと考えますと、手際よく進めにくいかもしれません。コミュニケーションの行き違いも、もしかしたら控えめに出ることでのタイミングの悪さがあるかもしれません。
スケジュールの狂い、機械のトラブル、見直しや再考については、株式市場のデータから直接は類推できません。また、年に約4回もこのような時期があることを考えると、必ずしも大きな混乱を招くとは言えないでしょう。
最後に、大昔では、逆行について、光が弱まっているかな?くらいのの認識で、吉でも凶でもない扱いだったようです。現代になる前に、逆行について良くないという見解があり、それに対する意見が、先にご紹介した二人の占星学者のものになります。
私自身は研究者ではありませんので、あくまで推論としての見解です。正確な検証は、今後さらなるデータ分析に委ねられるでしょう。
 
 




